2014年05月13日 (火) 23:03 | 編集

4月13日、NHLは2013-2014年シーズンの全日程を終え、ディビジョンの最終順位が確定。それにより、プレーオフ第1ラウンドの組み合わせが以下のとおり決定しました。(カッコ内はディビジョン順位、WC=ワイルドカード)
■東カンファレンス■
■アトランティック・ディビジョン
ボストン(1) vs デトロイト(4・WC)
タンパベイ(2) vs モントリオール(3)
■メトロポリタン・ディビジョン
ピッツバーグ(1) vs コロンバス(4・WC)
NYレンジャーズ(2) vs フィラデルフィア(3)
■西カンファレンス■
■セントラル・ディビジョン
コロラド(1) vs ミネソタ(4・WC)
セントルイス(2) vs シカゴ(3)
■パシフィック・ディビジョン
アナハイム(1) vs ダラス(セントラル5・WC)
サンノゼ(2) vs ロサンゼルス(3)
最も面白そうな組み合わせは、ボストン・ブルーインズ対デトロイト・レッドウィングズでしょうか。自称「HOCKEYTOWN」のデトロイトと、「Real hockey town」を標榜しているボストンの、古豪同士のガチンコ対決。
ブルーインズのホーム、TDガーデンでの対ウィングズ戦でブルーインズがゴールを決めると、アリーナのジャンボトロンに「Welcome to the Real hockey town!(真のホッケータウンへようこそ!)」というイヤ味たっぷりのメッセージがバチバチと輝くのです。けっこう笑えます。
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2014年04月13日 (日) 22:33 | 編集

NHLは13日、2013-2014年のレギュラー・シーズン全日程を終了し、カンファレンス最終順位が確定しました。
東カンファレンス首位のボストン・ブルーインズは、最終試合の対バッファロー・セイバーズ戦に勝ち、勝ち点を117点として、レギュラー・シーズン優勝。プレジデンツ杯獲得は、24年ぶり2度目の快挙でした。
ジャローム・イギンラが加入し、若い選手たちの成長があったとはいえ、あのメンツでリーグ優勝!?とちゃぐまファンの私でも思わないでもないですが、2011年以来3年ぶりのスタンリー・カップ制覇への期待で胸は膨らみます。
さて、4ディビジョン制&ワイルドカードが導入されて初めてのシーズンとなった今季の順位は、下記のとおりとなりました。(カッコ内はポイント)
■東カンファレンス■
■アトランティック・ディビジョン
1 ボストン(117)=レギュラー・シーズン優勝
2 タンパベイ(101)
3 モントリオール(100)
4 デトロイト(93)
-------
5 オタワ(88)
6 トロント(84)
7 フロリダ(66)
8 バッファロー(52)
■メトロポリタン・ディビジョン
1 ピッツバーグ(109)
2 NYレンジャーズ(96)
3 フィラデルフィア(94)
4 コロンバス(93)
--------
5 ワシントン(90)
6 ニュージャージー(88)
7 キャロライナ(83)
8 NYアイランダーズ(79)
■西カンファレンス■
■セントラル・ディビジョン
1 コロラド(112)
2 セントルイス(111)
3 シカゴ(107)
4 ミネソタ(98)
5 ダラス(91)
-------
6 ナッシュビル(84)
7 ウィニペグ(84)
■パシフィック・ディビジョン
1 アナハイム(116)=カンファレンス1位
2 サンノゼ(111)
3 ロサンゼルス(100)
-------
4 フェニックス(89)
5 バンクーバー(83)
6 カルガリ(77)
7 エドモントン(67)
今季も弱かった我がエドモントン・オイラーズでしたが、レギュラー・シーズン開幕からなぜか一貫して勝ち星に恵まれなかったバッファロー・セイバーズとフロリダ・パンサーズのおかげで、最下位の不名誉からはなんとか逃れることができたのでした。来季はがんばってよー。
2014年03月01日 (土) 18:37 | 編集

NHL.com -- バッファロー・セイバーズは2月28日、Gライアン・ミラーと主将のFWスティーブ・オットをセントルイス・ブルーズへトレードしたと発表した。
見返りとしてブルーズからはGヤロスラフ・ハラーク、FWクリス・スチュワート、プロスペクトのFWウィリアム・キャリア、2015年NHLドラフト1巡目指名権がセイバーズへ送られる。また、もしもブルーズがプレーオフで西カンファレンス決勝に進むか、またはミラーがブルーズと契約更改をした場合は、セイバーズはブルーズの2014年NHLドラフトの1巡目指名権を得ることになる。
28日夜はブルーズもセイバーズも試合があったが、ミラー、オット、ハラークらはいずれもスクラッチとなった。ミラーとオットは3月2日の対フェニックス・コヨーテズ戦からチームに合流する予定。
ミラーは移籍に寄せて「僕を信じてくれたバッファローの友人、ファン、そしてセイバーズのスタッフ全員に感謝している。そして共に過ごしたチームメイトたちにも。毎日、リンクに来て試合をするのが楽しみだった。とてもぐっとくるものがある。12年間バッファローでプレーしていたことを思うとつらい。でも新しいチームでの新たな冒険にもわくわくしている」とコメントを発表した。
ミラーはこのオフに制限なしフリーエージェントとなるため、シーズン中のミラー放出は根強く噂されてきた。セイバーズはミラーと契約の交渉をする気すらなかったと言われる。セイバーズのティム・マリーGMは「このトレードには非常に満足」と語った。
::: 3月5日東部時間午後3時のトレード締切りが迫り、そろそろ大型トレードのニュースがあるんだろうなとある程度予想はしていましたが、トップバッターがライアン・ミラーとは。
そしてスティーブ・オット。地味な選手ですが「He never stops talking.(あいつはずーっとくっちゃべってる)」と他のNHLerたちを呆れさせるNHLのトラッシュ・トーク王です。ブルーズって強いんだけど何かが足りないというか、いまいちおとなしいチームという印象なので、喋りで相手をイライラさせるペスト型のオットも連れて来たのはいい判断かも。
それにしてもヤロスラフ・ハラークはかわいそうだな。昔ハブズでがんばっていたら「うち、キャリー・プライスでやっていくんで」とブルーズに出され、新天地ブルーズでもブライアン・エリオットと一緒にウィリアム・ジェニングズ賞もらうほど優秀な働きぶりだったのに「ミラー来るから、もうアンタいらない」とばかりにリーグ最下位のセイバーズにトレードになってしまうとは。ハラークのモチベーションが心配。
2月28日現在、ブルーズは強いシカゴを抜いてセントラル・ディビジョン1位、西カンファレンス2位、リーグで3位。本気でカップ優勝を狙えるシーズンなわけで、ミラー獲得でその本気っぷりを誇示した感じ。ただでさえ強いのにミラーが入ってブルーズはますます強くなって、西のチームは戦々恐々だろうなあ。
そしてミラーにとってはスタンリー・カップ・チャンピオンになれる大チャンス。ミラーのファンなのでそれは嬉しい。でも私はミラーにはセイバーズでリーグ優勝してほしかったです。
記者会見で「子どもの頃からの夢を実現できるかもしれないこの機会にわくわくしている」と喜びを隠し切れないオットとは対照的に、憔悴しているというか、今にも泣き出しそうだったミラー。弱いチームから強いチームへ行けるならラッキーじゃないの、と外野は思うけど、デビュー以来10年以上在籍していたチームを離れるのって、そんな簡単に割り切れるもんじゃないんだよね。
でもセイバーズが契約更改してくれないんじゃしかたがない。バッファローもいい街だが、セントルイスもとてもいいところらしい。古くはピーター・シュタストニーやアル・マッキニス、キース・カチャックやダグ・ウェイトら、ブルーズでプレーした選手たちが「セントルイスで子どもを育てたい」と引退後定住しまうほどに。だからブルーズでがんばれ、ミラー。
2014年02月26日 (水) 22:03 | 編集

終ってしまいました、ソチ・オリンピック。
始まる前は工事の遅れや雪の少なさ、テロの恐怖など懸念材料はこれまでのどのオリンピックより多かったのに、巨費を投じた警備のおかげかテロもなく、毎日の熱戦を楽しく見ることができました。
ソチはもともとはただの小さなリゾート地だったので、このオリンピックのための施設はすべて新設。オリンピック・パークに作られたアリーナやリンクも、山間部に作られた設備も、どれもピカピカですばらしかった。各会場の壁紙もロシアの伝統的な模様をモチーフにしたもので、華やかに大会を彩っていましたよね。
閉会式まで全部見て思ったのは、「バンクーバーとロンドン、先にオリンピックやっておいてよかったね」ということ。開会式も閉会式も、この2都市のとソチのとではちょっとレベルが違いました。ロシアには世界的に有名なポップス歌手などがいない分、「思い出のメロディー」でうんざりさせられることもなく、まずそこがよかったです。
クラシック音楽もバレエもサーカスもオペラも、演じているのは世界トップレベルの一流どころばかり。ロシア国歌を歌う子どもたちの指揮をするのがワレリー・ゲルギエフで、その伴奏のオーケストラの指揮者がユーリ・バシュメットとは。豪華でした。本気を出したロシアさん、マジすごすぎます。

開会式同様、プロジェクションマッピングを駆使してのショーは見ていて本当に楽しかったです。ずっとやっていてほしいと思いました。特にマスコット3体と子どもたちのめくるめくハッピーな世界は夢のようで、浅田真央ちゃんの言葉を借りれば「世界が一つになったみたい」でした。
日本では「不気味」だの「キモい」だの散々な言われようだった、リアリティあふれるマスコットたち。でも私はすごく可愛いと思いました。ぬいぐるみが欲しいです。バンクーバーやロンドンのマスコットがどんなんだったかまだ憶えてる人は少ないが、彼らマスコットは独特のキモ可愛さとともに、オリンピック・ファンの胸にいつまでも残ることでしょう。

シロクマくんに聖火を消させたのはナイスアイディアでしたねー。吹き消した後に彼が流した一筋の涙。モスクワ五輪閉会式での「ミーシャの涙」へのオマージュでしょうか。一瞬、「さようならモスクワ」の音楽とともに、空へ上がっていくミーシャの姿が映り、なつかしい気持でいっぱいになりました。
そしてグランドフィナーレの花火。チャイコフスキーのピアノ協奏曲のリズムにぴったりシンクロして上がる花火の美しさは鳥肌ものでした。ロシアにはラフマニノフやハチャトリアンもいます。世界に誇れる芸術がある国は強いな、としみじみ実感した閉会式でした。
大会期間中、ヒマだったのでずっとテレビに張り付いて中継を見ていましたが、印象的だったのはロシアの人たちが思い思いにオリンピックを楽しんでいたこと。プーチンが国の威信をかけて、とか、モスクワのリベンジを、とか、そんなことはもうどうでもよかった。可愛いマスコットの帽子をかぶったおじさんやおばさん、フェイスペイントをした子どもたち、綺麗な若い女性たち、ウケを狙ってコスプレに燃える男性たちの姿が微笑ましく、見ているだけで嬉しい気持になれました。
男子アイスホッケーのテレビ放送は少なくて残念だったけど、カーリングとバイアスロン、アルペンスキーは毎日やってくれたし、日本人選手陣も大健闘だったし、浅田真央ちゃんの魂の演技にも泣いて、最高に楽しいオリンピックでした。

やっぱりオリンピックは夏より冬です。また4年後も楽しく冬季オリンピックを見られたらいいな。
2014年02月25日 (火) 19:23 | 編集

大会MVP:テーム・セラニ(フィンランド)*記者投票により選出
国際アイスホッケー連盟(IIHF)選出による各賞
最優秀ゴーリー:キャリー・プライス(カナダ)
最優秀ディフェンスマン:エリック・カールソン(スウェーデン)
最優秀フォワード:フィル・ケッセル(アメリカ)
記者投票によるオールスター・チーム
ゴーリー:
ヘンリク・ルンドクヴィスト(スウェーデン)
ディフェンス:
エリック・カールソン(スウェーデン)
ドリュー・ダウティ(カナダ)
フォワード:
テーム・セラニ(フィンランド)
フィル・ケッセル(アメリカ)
ミカエル・グランルンド(フィンランド)
(参考)スコアリング・ランキング
1 フィル・ケッセル(アメリカ) 5G, 3A, 8P
2 エリック・カールソン(スウェーデン) 4G, 4A, 8P
3 ミカエル・グランルンド(フィンランド) 3G, 4A, 7P
4 ジェームズ・ヴァンリームズダイク(アメリカ) 1G, 6A, 7P
5 ミヒャエル・グラブナー(オーストリア) 5G, 1A, 6P
6 ドリュー・ダウティ(カナダ) 4G, 2A, 6P
6 テーム・セラニ(フィンランド) 4G, 2A, 6P
::: ソチ・オリンピック男子アイスホッケーMVPの栄冠はセラニに輝きました。セラニ、おめでとう! 43歳にして衰えない動きやショットの切れ、「フィニッシュ・フラッシュ(フィンランドの閃光)」は健在でした。有終の美を飾れましたね。
エリック・カールソンとドリュー・ダウティの一騎打ちになると思われたベスト・ディフェンスマンには、カールソンが選ばれました。おめでとう、カールソン! ケッセルとプライスもおめでとう〜(あくまでも付け足し的に・笑)。
なお、トリプル・ゴールド・クラブ(スタンリー・カップ優勝、オリンピック金メダル、世界選手権優勝を達成した選手)は該当者なし。2004年にタンパベイ・ライトニングでカップ優勝を果たしているカナダのマルタン・サンルイは世界選手権での優勝経験がないため、クラブへのニューカマーとはなりませんでした。残念。

ルンドクヴィストとカールソン。2人ともお疲れさまでした。
2014年02月25日 (火) 18:50 | 編集

カナダ3、スウェーデン0
カナダ 1 1 1 3
スウェーデン 0 0 0 0
得点:【カナダ】ジョナサン・テーヴズ(A=ジェフ・カーター、シェイ・ウェバー)、シドニー・クロズビー(ノーアシスト)、クリス・クーニッツ(ノーアシスト)
ゴーリー:【カナダ】キャリー・プライス(24ショット、24セーブ、5勝0敗)【スウェーデン】ヘンリク・ルンドクヴィスト(36ショット,33セーブ、5勝1敗)
談話:
ジョナサン・テーヴズ(カナダ)「うちが圧倒していた。この試合に出られて楽しかった」
マルタン・サンルイ(カナダ)「この2か月いろいろあった。これはただの金メダルじゃない。チーム・カナダに選ばれるのは難しいこと。この金メダルはぼくがハードワークでチーム・カナダの一員になれたこと意味している」
パトリック・シャープ(カナダ)「いやー、嬉しいよ。チーム・カナダのジャージを着て金メダルを首にかけてもらうなんて最高だ。早く故郷のサンダーベイにこのメダルを持ち帰りたい」
スティーブ・アイザマン(カナダGM)「我々は殻に閉じこもっていなかった。ディフェンスの一部はフォアチェッキングに行くし、アグレッシブにプレーしたよ。今日の試合は、最も感動的で優れたディフェンシブなホッケーのかたちだった。マイク(バブコック監督)はこの2年間言ってきた、『広いリンクのホッケーをやるんだぞ』って。このオリンピックではそれができたということだ」
エリック・カールソン(スウェーデン)「相手には僕らに対する良いゲーム・プランがあって、一貫してそのプランに沿って戦っていた。レンガの壁を突き破ることはできなかったよ」
パール・マーツ(スウェーデン監督)「カナダはより速いテンポでプレーし、パックをコントロールしていたね。あっちにはブレイクアウェーも多かったよ。数えきれないぐらいにね。カナダ相手にあんなプレーをしてはいけない。今日カナダは我々よりはるかに、はるかに上だった」
::: 閉会式の直前に行うのが慣例の男子アイスホッケー決勝。カナダのバンクーバーでは早朝午前4時フェイスオフでした。勝った後はともかく負けた後に市民が暴徒化するのを警戒し、バンクーバー市当局は「スポーツバーは開けてもよいが午前2時以降は酒を提供してはならない」とのお達しを出し、暴動におびえながら大切な試合の行方を見守りました。
結果は、ホッケー発祥の地としての意地やらプライドやらいろいろ背負っちゃってるチーム・カナダが各ピリオドに1点ずつ取って、3-0のシャットアウト勝ち。北欧の雄スウェーデン相手に真正面からぶつかり、最後はねじ伏せてのオリンピック2連覇です。お見事でした、チーム・カナダ。金メダルおめでとう!
ジョナサン・テーヴズ、シドニー・クロズビー、そしてクリス・クーニッツと、それまでの5試合で1ゴールも決められていなかった3選手が決勝で価値ある得点。特にクロズビーと同じトップラインでプレーしてるのに1アシストすらなく、「あいつソチへ何しに行ったんだ?」とカナダのファンをイライラさせていたクーニッツは、土壇場でのダメ押しゴールで胸をなでおろしていたことでしょう。
アンチ・キャリー・プライスの私としては、プライスでカナダが優勝というのが納得いきませんが(笑)、6試合でわずか4失点しかゆるさなかった鉄壁のディフェンス陣とプライスがカナダに金メダルをもらたしたのは間違いなく、そこは素直に賞賛の拍手を送りたいと思います。っていうかプライス、カナディアンズに戻ってもそれぐらい働いてよね。
プライスのハブズの同僚PK・スバンも1試合ですが出場できてよかったね。でも第3のゴーリー、マイク・スミスはチームでただ一人出番なし。スミスの奥さんはカナダ代表でバンクーバー五輪にも出場したアルペンスキーの選手なんです。奥さんと同じオリンピアンになって結果的に金メダルは手に入ったけど、1ピリオドでいいからスミスも守りたかったでしょうね。
スウェーデンは残念でした。リレハンメル以降のオリンピックではスウェーデンはカナダに対して分がよく、苦手意識もないので勝つチャンスはあると踏んでいたはず。そして勝つ力もあったと思います。服用したアレルギー薬にドーピングの陽性反応が出てニクラス・バックストロムがプレーできなかったことに、チームメイトたちも動揺しちゃったのかな。
カナダに負けた後、スウェーデンの協会幹部はIOCのドーピングのやり方に怒りをあらわにしました。バックストロムも「人生で最も重要な試合に向けて準備していた。でも試合開始の2時間半前に、試合に出てはいけないと言われた。悲しい。これは心からの気持です」と落ち込みまくり。7年も飲み続けている薬の量が少し多かったとかでドーピングにひっかかり、ちょっとかわいそうでしたね。
バックストロムはフェイスオフがうまい選手で、前回バンクーバー大会ではフェイスオフ勝率で1位を記録したほど。スウェーデンにとっては、そのバックストロムがプレーできなかったのは痛いっちゃ痛かったかも。でもルールはルールだし、過去には飲んだ風邪薬の量が基準をほんの少し上回っただけで金メダルを剥奪された体操の女子選手もいたし、しかたないです。
私としては、カナダのマルタン・サンルイの小気味よいプレーとスウェーデンのエリック・カールソンのイケメンぶりを堪能できてよかった。カールソンはマスコミに銀メダルの価値を訊かれて「さあね。ネットオークションにでもかければ価値がわかるんじゃないの?」と答えたそうです。その負けん気があれば大丈夫。次のオリンピックでのカールソンのリベンジに期待です。
カールソンについては試合前にNHKが注目選手としてクローズアップしてたので、こりゃ初めて見た人には衝撃だっただろうなとツイッターで検索かけてみたら、案の定「カールソン、イケメン!」のツイートであふれておりました。ちょっといないレベルのカッコよさだもんね。カールソン落ちした人のうち何人かでも、今後NHLの試合に興味を持ってくれたら嬉しいなと思います。

キャプテン・シリアス、おめでとう! あんたがこの試合のMVPや! 「金銀メダルコント」でおなじみのゲツラフも2個目の金メダル。しかしこの2人が3歳しか違わないという事実がまたどうにも・・・

金メダルをしげしげと見つめるサンルイ。最初は補欠扱いだったのに、2試合目から試合に出てました。トリノ五輪のリベンジを果たせたね。

閉会式で肩車をされるサンルイ。これでも38歳、2004年リーグMVP(笑)。最高の結果で終ったオリンピックを楽しんでいたようで、ファンとしてもとても嬉しかったのでした。
------------
ところで、今大会私にとって最も印象に残った選手は、フィンランドのディフェンスマン、サミ・ヴァタネンでした。

まだ22歳でスオミのパワープレー・ユニットに使われ、おそらく175センチもない小さな体でブルーラインからばんばか強いショットを打ちまくる。彼のプレーにはただただ「ほおー」と感心するしかありませんでした。
聞けばヴァタネンはアナハイム・ダックス所属だというではないの。今季のダックスの異常な強さの秘密は、ヒラーでもペリーでもゲツラフでもなくて、ヴァタネンなのにちがいない。これからはヴァタネンにも注目していきます。是非是非がんばっていただきたい。でもオイラーズ戦では是非是非おとなしくしててね。
終ってみれば短かった男子アイスホッケーのトーナメントでした。毎回書いてますが、毎日毎日、ハイレベルなホッケーを見ることができて本当に楽しかったです。4年後のオリンピックはアジアで開かれるので、是非ホッケーを見に行きたいと思っています。

マスコットのシロクマくんもヴァタネン(#45)を応援!
シロクマくんも毎日ホッケー会場を盛り上げてました。観客も試合そっちのけで彼にツーショット写真をおねだりしてましたっけ(私もあの会場にいたら絶対同じことしてたと思う)。シロクマくんもお疲れさまでした。
2014年02月25日 (火) 12:19 | 編集

フィンランド5、アメリカ0
フィンランド 0 2 3 5
アメリカ 0 0 0 0
得点:【フィンランド】テーム・セラニ(A=ミカエル・グランルンド、ラウリ・コルピコスキ)、ユッシ・ヨキネン(ヨリ・レヒテラ、ペトリ・コンティオラ)、ユーソ・ヒエタネン(トゥオモ・ルートゥ、サミ・レピスト)、テーム・セラニ(PP)(ミカエル・グランルンド、ラウリ・コルピコスキ)、オッリ・マータ(PP)(ヨリ・レヒテラ、ユッシ・ヨキネン)
ゴーリー:【フィンランド】トゥーッカ・ラスク(27ショット、27セーブ、3勝1敗)【アメリカ】ジョナサン・クイック(29ショット,24セーブ、3勝2敗)
談話:
テーム・セラニ(フィンランド主将)「銅メダルを取れると信じていた。チームの仲間たちを誇りに思う。試合前『自分たちのためにプレーしよう。俺たちは最高の結果にふさわしい』とみんなで話し合っていた。そしてそうなったよ。誰も僕らを信じてなかったけど、僕らは信じていた」
トゥーッカ・ラスク(フィンランド)「すばらしい。誰もフィンランドがメダルを取るとは思ってなかっただろう。いつかもっと明るい色の何かを取れればいいけど、こういうメダルは誰もがもらえるものではないから。メダルが取れて本当に嬉しい」
ザック・パリゼ(アメリカ主将)「ちゃんとプレーしなかった。それはどうしようもない。最後の2試合、僕らは勝てるプレーをしなかった。勝つのにふさわしくなかったということ」
デイヴィッド・バッカス(アメリカ)「僕らは金メダルを取りにオリンピックに来た。でも直面したのは国のために銅メダルを取るチャンスがあるという現実。そのチャンスにすべてを賭けるべきだった。でもそれができていたかどうかはわからない」
パトリック・ケイン「ペナルティショットのチャンスを活かせなかった。得点するチャンスはあったと思うんだけど・・・。ゴーリーと1対1のチャンスが3回もあれば、そのうち2点は取りたいと思うものだよ。そうなる運命じゃなかったってことさ」
::: 接戦になったらアメリカ有利かなと思っていましたが、意外にもワンサイド・ゲームでした。テーム・セラニのゴールでスオミが先制したときに、もう試合は決まっていたのかもしれない。ジョナサン・クイックのショートサイドを抜く、技ありの見事なゴールでした。
そしてその直後のスオミの2点目。チームUSAのモチベーションは一気に下がり、さらに負けが込んでくるにつれ気持の糸がふっつり切れてしまったように見えました。最後はいらないペナルティ連発でスオミにパワープレーを与えてそこを叩かれる、という悪循環。
3点取られても4点取られても交代させてもらえないクイックには同情してしまったけど、まさかライアン・ミラーに敗戦処理させるわけにはいかないものね。クイック自身もそこは理解できてたでしょう。
そしてオリンピック記録となった1試合2本のペナルティショットを打ったパトリック・ケインは、2本とも惜しくも失敗。NHLと違いオリンピックでは相手に倒された選手以外がPSを打っていいので、ダン・バイルズマ監督としてはPSヒーローのTJ・オシーにPSをやらせたかったのかもしれませんが、ドラ1&コルダー&コンスマイスのケインを引っ込めてオシーに打たせたら、ケインのエースとしてのプライドはズタズタだしね。それはちょっとできない相談でした。
チームUSAはまだ若い。全米から有望な十代の選手をミシガン州に集めて強化するプログラムが実を結びつつあるし、次のオリンピックでも、世界選手権でも世界ジュニア選手権でも優勝を狙えるようになっていると思います。今後はスポーツ大国アメリカの意地の巻き返しに期待です。
2ゴールのセラニはこの日で43歳234日。2002年ソルトレイクシティ五輪でロシアのイゴール・ラリオノフが作った41歳83日のオリンピック最年長ゴール記録を大幅に更新しました。セラニがウィニペグ・ジェッツにドラフトされたのが1988年で、背番号88をつけるケインが生まれた年というから、いかに息の長い選手かわかりますよね。
日本のスキージャンプの葛西紀明選手や、このソチでも2個の金メダルを獲得したノルウェーのバイアスロン選手オーレアイナル・ビヨルンダーレンが「レジェンド」と呼ばれてますけど、スオミのエルッカ・ヴェルテルルンド監督が言うように、セラニも「フィンランド・ホッケーの生ける伝説」になった大会でした。本人は「このすばらしい結末で僕の代表としてのキャリアは終了」と言っていますが、1日でも長くスオミのためにがんばってほしいです。
NHKBSでは試合直後のメダルセレモニーは放送してくれなかったので、ちょこっと画像を。

みんな、いい顔してるなあ。つか、なんかみんな似てるな。

セラニもオッリ・ヨキネンもいい笑顔してますね。こぶたちゃんも35歳、代表引退は確実だそうです。

レジェンドとレジェンドの熱い抱擁。先輩ヤリ・クリ様とハグしたとき、彼の胸に去来したものは何だったのか。
2014年02月23日 (日) 20:10 | 編集

カナダ1、アメリカ0
カナダ 0 1 0 1
アメリカ 0 0 0 0
得点:【カナダ】ジェイミー・ベン(A=ジェイ・ボウミースター)
ゴーリー:【カナダ】キャリー・プライス(31ショット、31セーブ、4勝0敗)【アメリカ】ジョナサン・クイック(37ショット,36セーブ、3勝1敗)
談話:
ジョナサン・テーヴズ(カナダ)「得点は多くなかったけど、その必要はなかった。次の試合もこのやり方でいく。ボディチェックをして、猛烈にプレーする」
ジェイミー・ベン(カナダ)「僅差の勝負になることはわかっていた。1ゴール奪う方法を見つけて、チーム・ディフェンスがよかった。そしてゴーリーがシャットアウトしてくれた」
ジェイ・ボウミースター(カナダ)「パックが出てきて、他の選手たちがネットのほうへ向かっていった。クリーンなシュートじゃクイックに勝てないよ。ベニー(ベンの愛称)がパックをスティックに当ててくれてラッキーだった」
ライアン・スーター(アメリカ)「全然プレーできなかった。残念だ・・・。受け身で、動けなかった」
パトリック・ケイン「あまり攻撃のチャンスを作り出せなかった。少しがっかりだよ・・・。タイトな試合になると誰もが予想していたと思うけど、まさかシャットアウトされるとは思わなかっただろうね」
デイヴィッド・バッカス(アメリカ)「ライバルの国にオリンピックの準々決勝で1-0で負けるなんて。面白くないよ、もちろん」
::: パトリック・ケインが言っているように、私もまさかアメリカがカナダに完封負けするとは思いませんでした。そしてカナダがアメリカから1点しか取れないというのも想像できなかった。5-4とか、4-3とか、お互いそれなりにゴールを奪い合っての僅差勝負になると予想していたのです。
オフェンスにこれでもかとスター選手を揃えた両チームが、1-0というスコアで試合を終えるとは。サッカーじゃないんだから。ただロースコアの試合だったけどシュートもばんばん打っていたしチャンスもたくさんあったので、見ていてそこそこ面白い試合ではありました。ジョナサン・クイックとキャリー・プライス、お互いのゴーリーがそれだけ頑張ったということです。
アメリカは悔しいでしょうね。だって2点取れば勝てたんだから。予選から準々決勝までの4試合、すべて3点以上取っていたチームのオフェンスが、肝心の準決勝では沈黙。初戦のスロバキア相手にノリノリでゴール決めていたあの姿は何だったの。よく言われるように、やはり攻撃力って水ものなんだなと思います。
先制点で決勝点となったジェイミー・ベンのゴールはすばらしかったですね。ボウミースターも言っているように、クイックレベルのゴーリーになると、まともにシュートを打ってもなかなかゴールになりません。だからこそ攻撃するほうはパックの軌道が見えなくなるようにスクリーンを作ったりゴール枠ぎりぎりを狙ったり苦心するわけですが、ベンのゴールを見て「カナダ、ディフレクションの練習してきたな〜」と思いました。でもボウミースターのコメントを見ると、とっさに打ったショットをとっさにベンが屈折させたみたい。それで決まるんだからやっぱりNHLの一流選手はさすがです。
カナダ代表の25人の中で、ベンだけが昨年行われたチーム・カナダの強化合宿に呼ばれませんでした。ダラス・スターズでの活躍が認められて、晴れて代表入りとなったわけですが、ベンを最終ロスターに加えておいてよかったね、チーム・カナダ。
ベンのゴールに喜ぶベン・ファミリー。ジャージを着て熱く応援するお母さん(?)が微笑ましい。家族はソチまで応援に行ってないんですね。NHLerでもある兄のジョーディはこの場にいないから、ソチへ行ってるのかな?